ANB

ANB Open Studio vol.5

2022.10.14-24
/
7F STUDIO 2
EXHIBITIONS

ANB Studio Program参加アーティストによるオープンスタジオ第5回!

ANB Tokyoでは、さらに多面的な支援拡大を目指し、2022年4月からクリエイターを中心としたメンバーシッププログラム『ANB Studio Program』をスタートしました。

このプログラムでは、クリエイターが制作や発表のため自由に利用できる共同スペースとして、ANB Studio1&2(6F&7F)を提供し、プログラムを通して異なる領域のクリエイター同士が出会い、作品を制作、発表する機会を創出します。

30名を超えるメンバーの活動を、『Open Studio』と題した展覧会シリーズでご紹介。

5回目となる今回は、石野平四郎と山田勇魚の2名が参加。神話や伝承のなかに登場するような、人智を超えた存在の姿をガラスや樹脂などを用いて造形し展示します。

 

是非ご来場ください。

INFORMATION

参加作家|石野平四郎、山田勇魚

会  期|2022年10月14日(金)~24日(月)
会  場|ANB Tokyo 7F
住  所|港区六本木5-2-4(六本木駅から徒歩3分)
開催時間|11:00-19:00 ※18日(火)・19日(水)は休廊
入 場 料 |無料

主催:一般財団法人東京アートアクセラレーション

(展覧会によせて)

本格的に作家として活動する前にとある登竜門で私達は荒削りな姿で出会っていた。そして約9年後。到達不可の過去の海淵で、己の深層心理に触れ、再び遭遇し、原点を威嚇のように剥き出す。深海の暗闇では怪物共の戦いを見ることが出来ないように、浮上した痕跡として表現の気配だけがここにある。

石野平四郎・山田勇魚

石野平四郎《Icarus》
鉄、石粉粘土、合成漆・樹脂塗料、アクリル塗料、ガラス
2022
H220×W330 ×D220㎝

※画像は作品の一部です

  • 石野平四郎|Heishiro Ishino
    『Icarus』

    怪獣や幻獣が齎す畏怖の根源はその背景や起源を効果的に見せることで、表現出来ると私は思う。私は超常的な存在を感じたいがために、頭足類達の烏鳶(顎)に大袈裟に意味深な名残を見ることができる。進化論では共通点のない鳥類と頭足類達に神話のような起源を感じ、海と空のように似てるようで全く違うものを深海、超深層のさらに底の宇宙よりも到達が難しいとされている場所で、私は彼らを美しい彫刻として想像する。

    エーゲ海に落ちたイカロスのように、海へ落ちた神鳥がその姿を怪物に変え、羽は吸盤になり足は触手になって海淵の奥底で奇怪な生物を生み出し続けているのだと。

    それはまるで映画『The Thing 1982』で見た、宇宙生命体が地球上の生物とする細胞レベルでの同化やラヴクラフトが綴った邪神達の存在が明らかであるかのように。
山田勇魚《Moby-Dick》
漂着物、ジェスモナイト、ガラス
2022
H50×W38×D38 cm

  • 山田勇魚|Isana Yamada
    『白鯨』

    "白鯨"はアメリカの小説家、ハーマン・メルヴィルによる小説"Moby-Dick"の邦題で、捕鯨が盛んだった19世紀後半のアメリカを舞台に巨大な白鯨と片足を奪われ復讐に燃えるエイハブ船長をめぐる冒険譚だ。
    当時はどんな環境下でも凍らないマッコウクジラの脳油が良質な機械油や燃料として重宝されており、肉や骨は一部の好事家以外には殆ど利用されることなく、安全に持ち帰る冷凍技術も無いため海上で棄てられていた。

    今回の新作、"白鯨"は海面に浮上したクジラの群れを模しており、穿たれた孔からは海上浮遊物が溢れ、飛び散る。
    用済みとなって放棄された海上浮遊物はまるで抜け殻のようだ。
    海面に広く分布し、ある時は浜に漂着、またある時は深海へと沈んでいく彼らは19世紀当時のマッコウクジラと近しい存在なのかもしれない。

    "白鯨"ではこれまで発表して来た"帰港シリーズ"とは違ったアプローチで長く取り組んできた制作テーマの"付喪神(つくもがみ)"と私自身の名前の由来でもあるクジラモチーフに挑戦した。
    この試みを足がかりに現代における付喪神作品の新たな可能性を探求したい。